語法問題:「other」を用いた表現

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■問■

Of the two doctors, one is experienced, and (  ) .

答えは(3) the other is not です。
正確には、
the other is not experienced
となり、ここでは繰り返される experienced が省略されています。
「2人の医者のうち、1人は経験を積んでいて、もう1人は経験を積んでない。」
という訳になります。


まず文頭に「of」があるので、その説明からしていきましょう。

例として、「3人の中で彼が一番背が高い。」という文を考えてみます。

He is the tallest <of the three>.

この英文は、次のように書くことも出来ます。

<Of the three> he is the tallest.

< >で囲った句は、「副詞」なので、文頭に置いても構わないのです。

問題の文においても同様に、<Of the two doctors>は副詞というわけです。

<Of the two doctors>, one is experienced, and (  ) .

つまり、「2人の医者のうち、1人は経験を積んでいて・・・」という内容になっているのが分かります。

そして後に続く内容として、「もう1人は 〜 」という内容の表現が問われているのです。


それでは、「other」を用いた「他の〜」という表現をまとめます。

まず前提として、定冠詞「the」についての理解を確認しましょう。

定冠詞「the」は、「相互了解可能な名詞」につける冠詞です。
話し手・聞き手の双方が、その名詞が何を指しているのか特定できる場合に、定冠詞「the」をつけるのです。


「other」について、以下の6つのパターンで解説していきましょう。


@ 場に2人いる場合
⇒1人を one と表し、他のもう1人のことを the other と表す

2人から1人(one)を除くと、残る人は1人しかいないので特定できます
「相互了解可能な名詞」となるので定冠詞 the をつけます。

1人(単数)のことを表すので、単数形(other)を用います。


A 場に3人いる場合
⇒1人を one と表し、他の2人のうちの1人のことを another (an+other) と表す

3人から1人(one)を除くと、残る人は2人いて、そのうちの1人といってもどちらの人かは特定できません
そのため定冠詞ではなく不定冠詞 an をつけます。

1人(単数)のことを表すので、単数形(other)を用います。


B 場に3人いる場合
⇒1人を one と表し、他の2人全員のことを the others と表す

3人から1人(one)を除くと、残る人は2人いて、その2人全員は特定できます
「相互了解可能な名詞」となるので定冠詞 the をつけます。

2人(複数)のことを表すので、複数形(others)を用います。


C 場に5人いる場合
⇒1人を one と表し、他の4人のうちの1人のことを another と表す

5人から1人(one)を除くと、残る人は4人いて、そのうちの1人といってもどの人かは特定できません
そのため不定冠詞 an をつけます。

1人(単数)のことを表すので、単数形(other)を用います。


D 場に5人いる場合
⇒1人を one と表し、他の4人のうちの2人または3人のことを others と表す

5人から1人(one)を除くと、残る人は4人いて、そのうちの2〜3人といってもどの人かは特定できません
また、複数人について表すので不定冠詞 an はつけません。

2〜3人(複数)のことを表すので、複数形(others)を用います。


E 場に5人いる場合
⇒1人を one と表し、他の4人全員のことを the others と表す

5人から1人(one)を除くと、残る人は4人いて、その4人全員は特定できます
「相互了解可能な名詞」となるので定冠詞 the をつけます。

4人(複数)のことを表すので、複数形(others)を用います。


以上のようになります。


したがって、この問題では2人の医者が話題とされていて、(  )内では特定できる残ったもう1人について述べているので、定冠詞 the 単数形(other)が組み合わさった the other が正解となるのです。

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