第6回【解答】

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【解説】

かつてのセンターでは、「使役」に絡む問題において、単純に「AヲシテBしム」の形が理解できていれば得点できた。

しかし最近では、使役「使AB(AヲシテBしム)」の応用形、

「使 A B C」(AヲシテBシテCしム)
=「AにBさせてCさせる」

という句形を出題する傾向にある。


この「使ABC」という句形は、「使AB」に動詞が1つ増えて、「使ABC」となったもの。

最後の動詞「C」だけに使役の「しム」が付いて先の動詞「B」には「しム」が付かないことがポイントだ。


使板野授業解説。
(板野をして授業して解説せしむ。)

という例文を考えてみよう。

「使ABC」の「A」に「板野」、「B」に「授業」、「C」に「解説」が入った文だ。

句形として「しム」が付くのは、最後の動詞「解説」だけで、先の動詞「授業」には「しム」は付かない。
よって、「授業して解説せしむ」となる。

句形の上では最後の動詞にだけ「しム」が付くが、意味の上では「板野に授業をさせて解説をさせる」と、「させる」の意味が「授業」と「解説」の両方にかかる。


センターでは、このように動詞が2つ入った使役の句形「使ABC」に傍線が引かれ、最後の動詞「C」だけに「しム」が付いた書き下し文を選ばせる問題が何度か出題されているのだ。

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