第87回【解答】
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【問題】
次の各「たまへ」の中に、1つだけ異質な敬語が混じっている。それを選べ。
(関西大学)
(1) しばしまちたまへ。
(2) かかりたまへる母を
(3) 思ひたまへて見侍りつるなり。
(4) いざたまへ。
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【解答】
ズバリ正解は(3)だ!
敬語の「たまへ」には二種類あって、
1.四段動詞 = 尊敬
2.下二段動詞 = 謙譲
要するに、「たまへ」が四段動詞なのか下二段動詞なのかをズバリ見抜けばOKだ。
選択肢(1)「しばしまちたまへ」の「たまへ」は文末にあって命令形。
ということは四段動詞なので尊敬だ。
「〜してください」と訳すのがポイント。
(2)「かかりたまへる母を」の「たまへ」は、下に完了の助動詞「り」の連体形「る」が付いているので、「たまへ」は已然形。
ということは四段動詞なので、これも尊敬。
完了の助動詞「り」との組み合わせの場合、「たまへ」は必ず「四段動詞已然形」=「尊敬」なので、これは覚えておこう。
(詳しくは『古文文法ゴロゴ』P44参照)
(3)は下に連用形接続の接続助詞「て」があるので、「たまへ」は連用形。
ということは、下二段動詞なので「謙譲」ということになる。ここで正解が決定だ。
ちなみに(4)は「いざたまへ」という慣用表現で、「さあ、いらっしゃい」と訳す。
この場合の「たまへ」は(1)と同じく命令形なので尊敬だ。
みんな、できたかな?
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