第60回【解答】
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【問題】
(1)「夕がほやいまは扇を折るあたり」の句で、「や」のようなはたらきをする語を何というか。
(2)松尾芭蕉の一門において、「風雅」といえば何を指すか。
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【解答】
まず(1)の「や」は、「切れ字」が正解。
「切れ字」とは、強制的に句を切るために使われるもので、代表的な切れ字には「かな」「や」「けり」がある。
また、切れ字がないのに、切れる場合もある。
その例として松尾芭蕉の辞世の句である、
「旅に病んで/夢は枯野をかけめぐる」
がある。
これは「旅に病んで」の後で文脈的に切れている例だ。
次に(2)の解答だが、松尾芭蕉一門において、「風雅」とは「俳諧」のことを指す。
「俳句」ではないので注意が必要だ。
「俳句」というのは、近代以降の言い方。
江戸時代、松尾芭蕉の時代において「五・七・五」で詠まれる句は「俳諧」と呼ぶのだ。
ちなみに近代において、俳句と短歌の革新運動を行ったのは正岡子規。
正岡子規の人生は35年にも満たない短いものだが、俳句雑誌『ホトトギス』を創刊したり、短歌に関しても『歌よみに与ふる書』を著したりと、後年に与えた影響は大きい。
近代文学史でもよくでる人物・著作物なのでチェックしておこう。
また、彼は「野球」という表記を最初に行った人でもあるのだ。
「バッター」「ランナー」「フォアボール」「ストレート」「フライボール」「ショート」などの外来語を、「打者」「走者」「四球」「直球」「飛球」「遊撃手」と日本語に訳したことでも有名だよ。
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