実践「ニュース小論文」第10回答案紹介・講評

第10回課題はこちら>>


皆様、こんにちは。
前回はお休みを頂きまして、申し訳ありませんでした。

目標は未来から手繰り寄せるものです。
私は中学3年生の春に、志望大学を決めました。
一浪しましたから、志望大学を決めてから約5年かかって、やっと合格出来たのです。
浪人のときなど、毎日寝る前に鏡を見て「オレはすでに◯◯大学の学生だ❢」と言い聞かせていたのです。
そうやって合格を手にしたのです。
 
結婚のときもそうでした。
一目惚れだったのですが、出会った瞬間に「この子と結婚したぞ❢」って思っていました。
その後、1年もしないうちに結婚したのです。
 
参考書を出すときもそうでした。
自分の著書が書店の学参コーナーに並んでいる、と思っていました。
すると、本当に出版が実現したのです。
 
自分の話ばかりで恐縮ですが、私の周りにはそうした友人たちがいっぱいいます。
みんな、夢を描いて、それを確信して、未来から現実を手繰り寄せてきたのです。

みなさんも、もう合格しているんですよ❢
あとはそれを手繰り寄せるだけですよ❢


 
前々回の答案御紹介と講評です。

ニュースを再掲します。
 
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以下のニュースを読み、190字以上200字以内で問題点を指摘し、解決策を述べよ。

OECD(経済協力開発機構)は、日本の15歳から29歳までの若者のうち、職業に就かず、教育などを受けていない、いわゆる「ニート」の割合が、2015年で10.1%(170万人)だったとする報告書を発表した。
OECDの平均を下回っているが、日本の「ニート」の3分の2が、積極的に仕事を探していないほか、32万人の若者が「ひきこもり」状態と推計されるという。
一方、日本は、諸外国に比べて、家事や育児などのために、仕事から離れる若い女性が多く、「保育施設へのアクセスと費用の手頃さが限定的だ」と指摘している。

《 フジテレビ 2017年5月29日(月) 23時26分 配信 》
 

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今回の場合「ニート率が高いことの問題点は何か?」を探るところが難しいのではないでしょうか?




[1] R さん
日本のニートのうちの170万人のうちの3分の2もの人が学びたい、働きたいという意思がないことで働いていないのに不自由なく過ごしていくことができていることが問題だ。このようなことが起きる理由はその親が豊かだからだと考える。子が働かずに親のお金で生きていける人がいるというのは貧富の差が大きい格差社会が根底にあるからだ。格差が小さくなるように税金の比率を変えたりして国から政策を打ち出すべきだ。(194字)

●講評
・第一文が非常にわかりにくいです。「日本のニートのうちの170万人のうちの3分の2もの人が『学びたい、働きたい』という意思がないそうだ。しかし彼らは、不自由なく日々を過ごしている。そのようなことが可能であることこそが、問題なのだ。」という具合に、3つに分けることが好ましいと思われます。
・ニートが「問題である」理由が、ハッキリ示されておりません。親が裕福で、子がその恩恵を受けて働かないことが、なぜ問題なのでしょうか?親が子の分まで働いて納税していれば、問題はないと思われます。
・問題があるとすれば、そうした格差社会における貧困者のヤル気を失わせてしまうことです。たとえ今が貧困であっても、がんばって勉強したり働いたりすれば成功できるんだ、という夢を見ることを、ニートは難しくさせているのかもしれませんね。

◎ 評価は55%です。



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[2] ゴリス さん
ニート状態におちいっている人にまず外に出てもらう必要がある。そのために、彼らに特別雇用措置をとるべきだ。また、働く場所として、新たに保育施設をつくり、そこを提供すべきだ。「保育」をするためには資格を取る必要があるが、働くチャンスを得る一環として、特別資格免除をして、プロと一緒に働けるように改革をする。子供とふれあい、働く行為をすることが、家から出て自分がするべきことがあると自覚することが重要だ。(199字)

●講評
・まず外に出てもらう、そのための特別雇用措置、というアイディアは素晴らしいです。
・ただ、その「措置」についての説明が、今ひとつわかりにくい。もう少し具体的事例を挙げて頂ければなぁ、と思いました。
・ただやはりアイディアは評価します。

◎ 評価は70%です。Good❢



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[3] H さん
就労の努力をしないニートは税控除の対象となる一方、子育て支援が受けられないために就労を続けたいのに続けられない女性が多いのは問題である。解決には子育てを社会の責任とし就労と子育ての問題を切り離すのが好ましい。保育園から高校までを義務教育とし、医療費等の子育て関連費用もあわせて無償化すれば出生率の上昇と子育て世代の就業率アップを同時に実現できる。子育て無償化目的税の導入により早期実現を目指すべきだ。(199字)

●講評
・う~ん、気持ちはわかりますが、ニートの問題から完全に「スピン・オフ」しちゃっていますね。これでは少子化や子育てのテーマにすり替わってしまっています。

◎ 評価は20%です。残念



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[4] かなこ さん
いわゆる「ニート」と呼ばれている人々は、収入がない、または少ないので、納める税金の額が少ない。日本では少子高齢化による税負担がすでに問題となっているが、記事によると彼らの3分の2は働く気を持っていないので、職についている国民の税負担はさらに重くなることが考えられる。こうした問題を解決するためには、彼らの家族など周囲の人が、なぜ引きこもっているのかを理解した上で外へ出て働くことを促す必要がある。(198字)

●講評
・前半は非常に素晴らしい。ニートの問題点を見事に解説してくれています。
・ただ、解決策が「家族など周囲の人が~~働くことを促す必要がある」では弱い。なぜなら、そうしたことは既に行われているはずでしょうから。
・「ポケモンGo❢」というゲームアプリは、多くの引きこもりを外に出すことに成功したらしいですよ。そのようなゲームを制作する、という手は、いかがでしょうか?
 

◎ 評価は70%です。Good❢



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[5] A さん
日本の若年層のうち、約10%がニートである。そしてニートの3分の2が就職に積極的でない。このままでは働く若者が減少し、日本経済が衰退する可能性がある。これは公益を損なう。このような問題を解決する具体的な方法は、大手企業と精神科医が連携し、就職のための教育施設を作るべきである。そして、精神科医が就職までのカリキュラムを、健康を考慮して作成すべきである。(175字)

●講評
・190字に達していないので、零点です。
・内容だけをみると、非常に魅力的な解決策を提案しているので、仮に問題条件が「180字以内」だとすれば、なかなか高く評価されるでしょう(60%かな)。



以上、講評を終わります。取り上げさせて頂いた皆様、御協力ありがとうございました。

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